初恋

今年の冬のドラマ「sailent」がかなり話題になった


高校時代に付き合っていた2人、佐倉想(目黒蓮

青羽紬(川口春奈)が8年後、再会する

だが、彼は音のない世界で生きていた

お互いに違う世界で生きている

相手を思えばこそ心が葛藤する

切なくも応援したくなるドラマ

私も大好きで見ていた

私の初恋は中学生の時だった

相手は隣のクラスの同じ部活の子だった




実は彼、難聴でいつも補聴器をつけていた

生まれつき聴力が弱かったらしい

だから話す言葉も「たちつてと」「さしすせそ」

がきちんと発生できなくて、

そのせいで周りの男子にからかわれていたりもした




でも彼はすごく運動神経が良く

部活の体操部ではバク転も、跳馬も

それはそれはかっこよくできて

誰もが彼を絶賛していた




私はどんなにからかわれても前向きに頑張っている彼に恋をしていた

にっこりと笑った顔がとても可愛い人だった




思い切って私は彼に「好きです」「良かったら私と交換日記してください」と

小さい紙に書いたものを彼に渡した




彼はかなりビックリしたらしい

彼なりにコンプレックスを抱えていたから

誰かに告白されることなど頭の片隅にも

なかったようだ




そして彼の気持ちはさておき

私と彼との交換日記が始まって私たちは仲良くなっていった


その恋の結末は悲しいものになったが

私には初めての恋

とても良い思い出だ




もし彼が普通に話して補聴器もつけていない人だったら?

私は果たして彼を好きになっていただろうか?

今でも考える




きっと答えはNOだ

逆境にも負けず明るく笑顔の眩しい彼だから

好きになったのだと思う

周りの皆んなは、私の思いを理解できないようだった

「なんであのひと?」とよく聞かれた

「なんで?」はこちらが聞きたい




私が20代になりOLをしていた頃

昼休みに昼食を買いに外へ出た時

自転車に乗っていた彼とすれ違った

「おーーーーーーー!」と、お互いに手を振ってすれ違った

あのまんまの澄んだ瞳、身長が伸びて笑顔が素敵だった



きっと彼の元気な姿を神様が私に見せてくれたのだろう



ちよっと胸が「キュン!」

ってなった・・・